AOKI HARUKA

KAISHI


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富山デザインコンペティション2017
一次選考通過作品

STORY

この年のテーマは「道具と生活」と、道具専攻の私にとってはピッタリだった。

道具と生活を考える上で、「所作」に焦点を当てることにした。
「所作」は英訳するのが難しく、その点からも日本らしい文化のひとつであることがわかる。
私が所作と聞いて思い浮かべるのは、茶道や華道などの厳かな場でなされる、現代の私たちが忘れがちな美しい所作だ。

現代の生活にも取り入れられそうで、所作を美しくしてくれるような道具を探してみると、茶道で使用される「懐紙」に辿りついた。
調べてみると、懐紙は平安時代から存在しており、あらゆる用途に精通している。
例えば、現代でいうティッシュやハンカチ、メモなどである。

物に溢れ、一見すると豊かに感じる現代。
何かが必要になれば、すぐに指一本で物を買い、家が物で溢れてゆく。
どこか窮屈にも感じないだろうか。

私たちは物を買うときや使うときに、頭を使わなくなってきている。
あまりにも簡単に、安く手に入り、ひとつの用途に特化した便利グッズがたくさんあるからだと思う。

そこで改めて「懐紙」に注目したい。
ティッシュより大きく、ハンカチより少し小さいサイズ感のシンプルな和紙。
使い手次第でなんにでも使え、使い道に余白のある道具といえる。
懐紙さえあれば、ティッシュもハンカチもメモもひとまとめにでき、持ち物もシンプルになる。
さらに、ふにゃふにゃのティッシュで拭うよりカッチリした懐紙のほうが上品になる。
水に濡れてもグチャっとしないから、コースター代わりにしても良さそうだ。

しかし、懐紙ときくと、茶道を思い浮かべてしまい敷居が高く感じるかもしれない。
そこで、親しみやすい懐紙を考えることにした。懐紙初心者向けに、サイズを小さくメモのようにした。
また、表紙もモダンなグラフィックにすることで、若い人たちにも手にとってもらいやすくなることを目指した。

一次選考通過後、実際に富山の五箇山と八尾へ行き、和紙をみてきた。
最終的に、丈夫さの観点から、カバーから中の懐紙や保護用の和紙まで全て、八尾和紙を使うことにした。

しかし残念ながら、二次選考では超大型台風のため、富山に辿りつくことができず、
楽しみにしていたプレゼンも立食パーティもニューオータニでの宿泊も経験できずに終わってしまい、少し苦い思い出となった。

この年のテーマは「道具と生活」と、道具専攻の私にとってはピッタリだった。

道具と生活を考える上で、「所作」に焦点を当てることにした。
「所作」は英訳するのが難しく、その点からも日本らしい文化のひとつであることがわかる。
私が所作と聞いて思い浮かべるのは、茶道や華道などの厳かな場でなされる、現代の私たちが忘れがちな美しい所作だ。

現代の生活にも取り入れられそうで、所作を美しくしてくれるような道具を探してみると、茶道で使用される「懐紙」に辿りついた。
調べてみると、懐紙は平安時代から存在しており、あらゆる用途に精通している。
例えば、現代でいうティッシュやハンカチ、メモなどである。

物に溢れ、一見すると豊かに感じる現代。
何かが必要になれば、すぐに指一本で物を買い、家が物で溢れてゆく。
どこか窮屈にも感じないだろうか。

私たちは物を買うときや使うときに、頭を使わなくなってきている。
あまりにも簡単に、安く手に入り、ひとつの用途に特化した便利グッズがたくさんあるからだと思う。

そこで改めて「懐紙」に注目したい。
ティッシュより大きく、ハンカチより少し小さいサイズ感のシンプルな和紙。
使い手次第でなんにでも使え、使い道に余白のある道具といえる。
懐紙さえあれば、ティッシュもハンカチもメモもひとまとめにでき、持ち物もシンプルになる。
さらに、ふにゃふにゃのティッシュで拭うよりカッチリした懐紙のほうが上品になる。
水に濡れてもグチャっとしないから、コースター代わりにしても良さそうだ。

しかし、懐紙ときくと、茶道を思い浮かべてしまい敷居が高く感じるかもしれない。
そこで、親しみやすい懐紙を考えることにした。懐紙初心者向けに、サイズを小さくメモのようにした。
また、表紙もモダンなグラフィックにすることで、若い人たちにも手にとってもらいやすくなることを目指した。

一次選考通過後、実際に富山の五箇山と八尾へ行き、和紙をみてきた。
最終的に、丈夫さの観点から、カバーから中の懐紙や保護用の和紙まで全て、八尾和紙を使うことにした。

しかし残念ながら、二次選考では超大型台風のため、富山に辿りつくことができず、
楽しみにしていたプレゼンも立食パーティもニューオータニでの宿泊も経験終わってしまい、少し苦い思い出となった。

PROCESS

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